翻訳で副業も…その前に翻訳技能を高めるためのヒント「クラウドソーシング翻訳会社に聞いてみた」

翻訳の副業を始める際には、語学力だけではなく翻訳に関連した技能を高めておく必要があります。翻訳会社が高品質の翻訳をクライアントへ提供する上では、円滑なチームワークと個々の高いパフォーマンスが求められるからです。一翻訳者にとっては仕事の受注が主な関心事となりがちですが、翻訳のプロジェクトは翻訳者だけではなく、校正者・コーディネーター・営業担当者などが協力して運営しています。翻訳者にとって、関係者と連携して成果物を納品できるかどうかが問われていると申し上げても過言ではありません。

それでは、翻訳会社が求める翻訳技能やポイントとはどのようなものなのでしょうか。クラウドソーシング翻訳会社へ実際にヒアリングをしてみましたので、本記事で詳しく解説いたします。

さまざまなキャリアよりも深く・長いキャリア経験(1キャリア10年?!)

まずは1キャリアで10年以上の業務経験を持っているとその分野に精通しているキャリアとして強みになります。なぜ業務従事期間を見ているのかというと、10年経験があるとさまざまな職種・役職・業界内の力関係など、担当職務以外についても豊富になります。クライアント内の業務背景を理解して対応することが求められる翻訳会社では、非常に心強いパートナーになりえるのです。

翻訳会社が受注した案件に翻訳者をアサインするためには、翻訳者が特定の分野に強いかどうかを把握しておかなければいけません。その力量を知る上で業務経験年数や実績をしっかりと確認しています。言い換えれば、1~2年の短い社歴で自信を持っている人物が応募してきたら注意して見ているわけです。

翻訳の副業を始めたり、フリーランスに転身する方々は基本的に下記のような事情を抱えています。

  • もともと能力が高い
  • 家の事情で転身
  • 自営業の方が稼げる
  • 組織的活動に向いていない

どのような事情を抱えているにせよ、特定の分野で経験を積み、翻訳会社の案件にコミットできるだけの専門性があれば、大きな心配をする必要はありません。

スピード感をもって翻訳できる人

翻訳のスピード、とくにセルフチェックをできているかどうかも重要です。翻訳業務には常に締切が発生します。一定の期間でどれだけの生産性があるのかを把握している翻訳者の特徴は、翻訳会社から指定の分量を課された時に「〇〇までにできます」と即答できることです。逆にスピードが遅くて締切までに終わらない翻訳者をアサインしても、翻訳会社の獲得報酬は減るのでめりっおはありません。

どの翻訳者にとっても、どれくらいの分量をどれくらいの時間で終えられるかを把握する必要があります。案件によっては量が膨大になる時がありますので、後述するツールを使いこなして短時間で高品質の翻訳をこなせるのが翻訳者に課せられた責務です。

申し送り事項をしっかり書ける人

原則として、翻訳の成果物には「申送り事項の記載」が求められます。申送り事項とは、「なぜこのような翻訳になったのか」「固有名詞の情報源はどこなのか」を示すコメントです。「申送り事項の記載」はコミュニケーションの一種であり、翻訳者がその先で待機している校正者とお客様へつなぐバトンの役割を果たします。

自分で仕事を受注して納品する翻訳者によっては、自分さえ分かればいいというスタンスで納品する場合もあります。しかしこの場合、お客様からは「なぜこのような翻訳になったのかが分からない」という不信感を持たれる結果になりがちです。「申送り事項の記載」を怠った結果、一旦不信感が生まれるとその先の取引はないと考えてもいいでしょう。それほど大きな影響を与える業務です。

翻訳支援ツールも受け入れられる人

翻訳者によってはWordとExcelを主戦場として翻訳の成果物を納品してくることは多いですが、翻訳作業の効率化を図る上でツールへは慣れる必要があります。

たとえば、翻訳支援ツールでは用語集とTM(Translation Memory)という翻訳データベースを蓄積できるオンラインの翻訳ツールです。ツール内での作業場所に遷移すると、過去に納品した訳例や用語を参照できるのが特徴です。このデータベースの機能により、同じお客様に継続して納品する時に「用語のズレ」が発生せず、翻訳者が変更になっても安定した品質を保つことができます。

短時間・高品質が求められる翻訳業界で、翻訳支援ツールを使わずに作業に臨むのは大きなリスクを伴います。翻訳者自身の価値を高めるためにも、翻訳支援ツールに対応する姿勢を見せるのは重要です。

コミュニケーションを大事にする人

信頼度の大半を占めるのはコミュニケーション能力と言っても過言ではありません。具体的には、翻訳会社がプロジェクトの進捗状況を確認できるように翻訳者から状況報告を逐一行い、納期に間に合う段取りを維持することです。

たとえば納期が迫っている案件の進捗が芳しくない時に、翻訳会社が翻訳者と連絡がとれない状況が続くと大きなフラストレーションに悪化します。とくに事前に状況を共有していない場合は翻訳者に対する不信感が募り、次の依頼ない可能性が高いです。翻訳会社と翻訳者の関係を良好に育てていくためにも、進捗度の情報共有と不明点の確認は欠かせません。

まとめ

翻訳者は原文のメッセージを別の言語に変換し、読者へ原文が持つニュアンスやメッセージを届ける役割を担います。そのタスクを完結させるためには、翻訳者一人だけでなくチーム全体の知見を結集してよりよい品質を追求していくと、お客様から評価を得られやすいです。

作業の出発点に位置する翻訳者は、語学力だけではなくその仕事ぶりも見られています。

翻訳会社から信頼を得るだけでなく自分自身の価値を高めるためには、最低でも上記のポイントを押さえておきましょう。

本記事の内容に関して不明点や相談事がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

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