インドの女性起業家が躍進している理由とは？

インドの女性起業家が注目されていると聞きますけど、具体的にどのような人が活躍しているのでしょうか。また、政府はそれをどのように後押ししているのですか？

こんにちは。クラウドパワーパートナーズの海外編集部です。

インドビジネスの情報収集をすると、女性起業家が活躍するニュースを頻繁に目にするようになりました。実際にインド政府も女性起業家を支援しており、彼女たちの社会的な評価もあわせて高まっているというのが大きなトレンドです。

本記事では、CPP海外編集部が調査したインドの女性起業家に関する情報を通じ、新たに得られた気づきをご紹介していきます。

本記事の対象者：海外の女性起業家に関する情報を必要としている方々

なぜインドの女性起業家が注目されるのか？

女性起業家の特徴

インドのオンライン宝石ショップであるMelorra社CEOのSaroja Yeramilli氏は、経営陣に多くの女性が占めている企業がいかに優れているかについて述べています。

経営陣に女性が多い企業の財務パフォーマンスについては、株主へのトータルリターンが高く（34％）、株主資本利益率（35％）も優れています。

この要因の1つとして挙げられるのは、女性が永続的で有意義なビジネスの関係を構築するのに長けている傾向です。男性と比較しても消費者のニーズについて深い洞察力とを持っていますし、女性取締役会のメンバーは支出と買収をより慎重に考えています。

引用元：Entrepreneur India

多少バイアスがかかっているとも考えられるポイントですが、女性の社会進出を促すデータとしては非常に重要な意味を含んでいます。

とくに株主へのリターンの実績は、スタートアップへの投資を検討している海外のベンチャーキャピタルにとって投資の是非を判断する指標になるでしょう。

なお、インドのスタートアップに関する最新情報は以下の記事で解説しています。

インドのスタートアップ企業へ流れる海外投資！その理由とは？

インド国GDPを20%増加させると期待される女性起業家

インドでは技能開発省がドイツ国際協力公社(GIZ)と提携し、女性の起業家支援の活動を続けています。

ドイツ国際協力公社(GIZ)とは、海外で技術協力プログラム、人材育成、緊急支援などを行っている公社です。日本の類似組織としては国際協力機構(JICA)が挙げられます。

技能開発省は、ドイツ国際協力公社(GIZ)と共同で「女性による経済的エンパワーメントと女性起業家」という起業家支援のパイロットプロジェクトをインドのアッサム、ラジャスタン、およびテランガナで実施中。

このプロジェクトは、女性起業家が新しいビジネスを開始し、既存の企業をスケールアップするためのインキュベーション（創業支援）などのプログラムが試験的に行われています。

このプロジェクトは、250人の女性起業家によるスタートアップの育成を目標としていますが、スタートアップに関わっている100人の女性起業家の事業も支援しています。

引用元：Inc42

上記は国際協力の一環でインドの女性起業家支援を進んでいる事例です。

インドに限らず、女性の社会進出が増加して所得の向上や雇用の創出も図ることで、差別のない公平な社会を築けるというのが一般的な見解となっています。

これに関して、女性と子どもの開発省と繊維省の連合大臣であるSmriti Zubin Irani氏は、女性の起業家支援がGDPのレベルを20%増加させる可能性があると述べています。

「女性が労働市場へ参加することで性差別の解消につながり、GDPを20％増加させる可能性があります。これは私たちが実現すべき共通の目標です」

引用元：Business Line

少額投資で創業した女性起業家の事例

インドにおけるスタートアップの試みは十人十色です。

上述のように国際協力のスキームで支援を得られるパターンもあれば、自己資金でスタートアップビジネスに成功している女性起業家も存在します。

マタニティウェアブランドとして知られるAbiti Bella Enterprises社を立ち上げたRakhi Khera氏はその一人です。

2014年、Rakhiはわずか5ルピーの投資で独自のファッションブランドを作ろうと決意し、ママ向けの服を販売するAbiti Bella Enterprisesを創業しました。

現在、RakhiのブランドはMyntra（インドのファッションeコマース企業）で最も売れているマタニティウェアブランドになりました。2018～2019年には3,400万ルピー(Rs)の収益を記録し、次年度には4,500万ルピーの収益を予測しています。

引用元：MAKERS INDIA